今と昔のパンを比較してみる
昔のパンを知っている世代の人たちにパンの味について聞いてみると、「昔の方が美味しかった」と言う方が結構多いのですが一体何故なのでしょうか。今のパン作りで使われている酵母の主流となっているイースト菌は、一昔前までは菌の培養技術が今ほど進んでいなかった事もあり、イースト菌以外の菌も混ざってしまったり酵素等、発酵中に発生してしまう発酵生物質を取り除く技術も無かったと言います。こうしたイースト菌以外の発酵性物質はパンの旨味を引き出す物とされていたのですが、酵母にイースト菌以外の物が含まれてしまうと発酵が安定しないというデメリットが発生してしまうのです。そうなると仕上がりもその都度変わりますのでパンを作る側にとってはとても扱いにくい酵母だという事になるのです。そこで安定した仕上がりでお客さまにパンを提供出来る様になる為に、開発を重ねて今のイースト菌が出来上がったといいます。昔のパンの方が美味しかったと言うのは、扱いにくい酵母であった反面、天然酵母に近いイースト菌であった為、旨味を引き出していたからだったのかもしれませんね。だからこそ今天然酵母パンの人気が上昇しているのでしょう。もちろん今のイースト菌で美味しいパンが作れないということではありません。材料の組み合わせによって充分に美味しいパンを焼く事は出来るのです。しかしイースト菌は短時間で安定した発酵が特長の為、長時間発酵したものと比べると引き出せる旨味や風味は得られないと言います。やはり美味しい物を作るにはそれだけ手間暇をかけなくてはいけないのかもしれませんね。だからこそ今、天然酵母パンに注目が集まっているのではないでしょうか。